セミナーやレクチャーをどうやって準備すればわからない――学習指導案を使って計画をたててみては?



何人もを相手にセミナーやレクチャーの講師を任されてしまったとき、どうやって準備をはじめればよいのでしょうか。

 

学校の先生が授業の計画をたてるときに使う「学習指導案」を利用すれば、把握しておくべき内容や時間内に話すべき内容が整理しやすいのでお薦めです。

※この記事は、学校の授業で学習指導案を作成する必要がある方向けの記事ではありません。あくまでセミナーやレクチャーの計画をたてるために学習指導案に利用します。

 


 

なにを準備しておけばよいか?

セミナーやレクチャーを行う時に、

  • 教える内容の準備(レクチャーノートや、プロジェクターで投影して使うパワーポイントスライドなど)

を時間をかけて準備する方が多いのですが、実は教える内容以前に把握しておくべきことはたくさんあります

  • 相手とする生徒の知識レベル(セミナーで使う専門用語に説明が必要かどうか、教える技術に関してあらかじめ知識があるかどうかなど)
  • セミナーの目標(生徒が何を理解すること、技術を身につけることを目標とするか?)
  • セミナー後に課題(レポートや提出課題)を出すかどうか、出すならその内容について
  • 配布する資料などがあれば、その準備
  • 教える内容の時間配分(どのトピックにどの程度時間をかけるか)

学校の先生が使っている「学習指導要領」というフォーマットにはこれらの内容を書き込む欄が用意してあるので、順番に書きいれていけばセミナーのために準備すべきことが整理できます。セミナー本番で時間が足りなくなって目標の内容まで説明できなかったりすることが防げます。

 


学習指導案とは?

学習指導案とは、小・中・高校などの先生が授業計画をたてるためのフォーマットです。セミナーの到達目標や生徒の状況把握、進行計画など、セミナーの準備をするために必要な項目がすべて揃っています。

  • 「学習指導案 フォーマット」
  • 「学習指導案 word」
  • 「学習指導案 excel」

などの単語で検索すれば、白紙の学習指導案フォーマットをダウンロードできるウェブサイトがたくさん出てきます。大人相手のセミナーを行う場合は、小中学校用のものではなく、高校用のフォーマットを使うのがよいでしょう。

 

高校授業用の学生指導案フォーマットがダウンロードできるサイトは、例えば

また、小中学校を含む学習指導案フォームや学習指導案の書き方が書かれたウェブサイトのまとめリンクが、島根の教育研究会のページにあります。

 

 


学習指導案を利用してセミナーの準備

例として、石川県教育センターで配布されている学習指導案フォーマット(word形式)を使ってセミナーの準備をしてみます(フォーマットはこちらからダウンロードできます。)。

 

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セミナーのデータ

 ページ上部にある以下の項目は、適宜自分のセミナーやレクチャーの内容に合わせて埋めてください。

  • 学校名
  • 指導者 職・氏名
  • 指導日時・教室
  • 対象生徒・集団 (対象生徒の人数は重要です。少人数なら細かい指導ができますが、大人数になると知識レベルにばらつきが出てくるので難易度の見極めが難しくなります。
  • 科目名
  • 使用教科書 (セミナーで参考図書として使う教科書や配布資料があれば記入します。)

 

 

セミナーのトピック

  • 1.単元(題材)名

の欄に、一回のセミナーで教えるトピックのタイトルを書きます。

 

目標

  • 2.単元(題材)の目標

セミナーを通して、何を目標とするかを書きます。「~について教える」とか「~を理解する」といった曖昧なものは、結局内容がぼんやりしてしまうので避けた方がよいでしょう。「~について説明できる(程度の理解度を目指す)」「○○の問題を~を利用して解決できる(技術を身につける)」のように生徒が何をできることを目指すのかを具体的に書きます

セミナーが連続して複数回ある場合は、全体を通した大目標を書きます。セミナー1時間ごとの小目標は、下のセミナーの展開のところで記入します。

 

生徒・教材・講師の状況把握

  • 3.指導に当たって(生徒観・教材観・指導観)

という欄を埋めます。

 

【生徒観】には、生徒の理解度や状況を書きます。

  • 教える内容についてどの程度知識を持っているか
  • 教える内容に興味をもっているか(自発的にセミナーに参加しているのか、強制的に参加させられているのか)
  • 理解力の高さ、反応のよさ(セミナー中に質問した時に自発的に答えが返ってきたり、生徒が自発的に発言したりするか)
  • 生徒が初対面の人同士なのか、日常的に同じ集団に属している人達なのか

などを把握しておくことは、セミナーを速やかに進めるのに重要です。

 

【教材観】には、教材に関することを書きます。

  • 教科書に沿ってセミナーをするのか、副教材として参考程度に利用するだけなのか
  • 説明不足の個所はないか、あればどのような説明でセミナー中に補足するか
  • 利用している教科書から、スムーズにより高度な内容に展開するのに使える参考書はあるか(あれば副教材としてセミナーで紹介できる)

 

【指導観】には自分(講師)に関することを書きます。

  • セミナーやレクチャーの形態(一方的に講師が教えるだけですべての時間を使うか、教えた後で実技や演習を行い定着を図るか)
  • 注意すべきこと(早口にならない、トピックごとに最後に簡単に内容をまとめる、など)

 

セミナーの全計画

セミナーが連続して複数回ある場合は、

  • 単元(題材)の指導計画

に記入します。例えば全3回の場合は、第一次、第二次、第三次の欄にそれぞれの時間に何のトピックについて教えるかを書きましょう。

 

セミナーの展開

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  • (1)本時のねらい

セミナーが連続して複数回ある場合は、1時間ごとの小目標を書きます。

 

  • (2)準備・資料等

配布資料や提出レポート、実演で利用する器具などがあれば準備しておきます。

 

  • (3)本時の展開

いよいよ学習指導案のメイン部分です。

 

【学習内容】の欄には、導入・教えるトピック・まとめ・課題配布 など、セミナー中に行う内容を細かく順番に書きます。

【時間】の欄には、それぞれの学習内容に何分とるかを書きます。

【生徒の学習内容】には、それぞれの学習内容で、生徒の学ぶ内容やその時間に行う演習・実技内容を書きます。

【教師の指導・留意点】には、それぞれの学習内容の時間で、講師が何を教えるか、注意しておくべきこと、配布する資料などを書きます。

【評価基準】には、特に生徒の評価や成績をつける必要がない場合は、メモ欄として使えばよいでしょう。

 

1時間のセミナーでも、これだけ気をつけておくことがあるのですね。学習指導案には、把握しておくべき点が全て網羅してあるので、便利です。




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