スタンフォード白熱教室2(名札をめぐる冒険)

a0006_000374スタンフォード白熱教室の第2回目、レビューです。


レビュー

講義の流れ

前回:スタンフォード白熱教室1(ブレインストーミング)ではブレインストーミングの基礎を教えてくれました。2回目は、普段の授業などで使っている名札を改良する方法を考えていきます。

全体の流れは、

  1. キャッチコピーとジェスチャーつきで学生全員が自己紹介をする
  2. 2人ずつ組になって、今いる教室の中で不満な点を見つける
  3. 全員が見つけた問題点を発表する。多くの学生が教室のハード面での問題点を挙げるが、講師ティナ・シーリグは学生自身がつけている名札には不満な点がないかと聞きます。
  4. また組になって、名札について自分が考えている不満を挙げます。この講義で使っている名札は、紙に自分の名前だけ書いたものをカラーテープで服に貼り付けたものです。日本ではあまり使っているのをみたことがありません。名前以外の情報がもっと伝えられたらいいのに、お気に入りの服が傷んでしまう、ださい、などいろいろな不満がでます。
  5. 組になった相手が不満に思っている点を解決する名札はどんなものでしょうか。マインドマップを使って、自分1人だけでブレインストーミングをしてアイデアを書き出していきます。
  6. アイデアをもとに、教室に用意された材料で試作品を作ります。
  7. 試作品を相手に見せてプレゼンし、気に入ってもらえるよう売り込みます。成功して気に入ってもらえる人もいれば、がっかりされる人もいます。
  8. 最後に、講師によるまとめです。

 

講義のポイント

製品を設計する、というのが今回の講義のテーマです。

  • 設計のプロセスは全部で5つ、共感・検証・試作・考察・定義だそうです。クライアントの気持ちを理解する(共感)ことから始め、何が問題点なのかをはっきりさせ(定義)て、実際に相手のところや問題の場所に足を運んで考察します。そして試作品を実際に作りテストして、相手からフィードバックをもらって検証する…というのが流れです。
  • 試作品は簡単なものでかまいません。講義でも、何枚かの紙にメモを書いてそれを取り替えていくことで、電光掲示板のように情報が入れ替わっていく名札を表したりしていました。本当にその機能がなくても、その機能がどこにどのように備わっているかを相手に説明してわかってもらえればよいのです。
  • 試作品は早く作るのがポイントだそうです。ゆっくり丁寧に作っても、相手に見せたら気に入ってもらえなくてまた作り直し…となったら時間の無駄です。とにかく早く作って、相手の気に入る方法で問題を解決する製品ができているかのフィードバックをもらいましょう。フィードバックを活かして、更によい製品に近づけることができます。
  • 問題を引き起こしている原因はなにかをしっかり考察することが重要です。講義に出た例では、相手に「橋を作って欲しい」と頼まれます。橋を作ってあげる前に、なぜ相手が橋を必要としているのか考えましょう。向こう岸に渡りたいなら、橋以外にも泳いで渡るとか船で渡るとか方法はあります。なぜ向こう岸に渡りたいのかによっては、適切な方法が違うこともあるでしょう。(時には相手が気づいていないような)本当の問題点を探り、最も適切な解決策を提示してあげられたらベストです。

 


製品を作らない人は、この講義から何を学べるか?

 私は新製品を考えたり作ったりする仕事をしていないので、起業家向けのこの講義から何を学べたかを考えてみました。参考になると思ったのは、

  • 本当の問題点はなにか?を考えること。問題だと思っていることを更に掘り下げると、もっと深い問題にたどり着け、より本質的な解決策や別方面からのアプローチに気づくことがある。
  • 試作品はとにかく早くつくる。これは重要だと思います。実際に手を動かして作ってみてはじめてわかることもあり、早めにつくって相手の反応を知ってから改良を重ねていく方が、よりよいものができます。講義では製品の話でしたが、プログラムを作ったりレクチャーの準備をしたりとどんなことでもまず早めにつくってしまって改良する、という方がたいていはうまくいきます。
  • 問題を知るために、実際に足を運んで自分の目で確かめ、考察する。頭の中で考えていただけでは気づかないことが多いです。
  • 突拍子もないアイデアも歓迎する。講義では、今の技術では実現できそうにない名札のアイデアがたくさん出ました。そういうものを頭から否定してしまわないで、まず考えてみることが重要です。実現できないのはどの部分なのか、どのような技術や代替品があればカバーできるのか、本当に諦めなければいけない問題なのか。実現できそうなアイデアに絞って考えるより、はるかに発想の選択肢が広がります。

 

第1回目のブレインストーミングに比べて、講義の対象がかなり起業家に絞られてきまいたが、得るところの多い講義でした。学生たちが真剣に考察したり試作品をつくったりしている様子を観ることでやる気がでます。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です